エゼキエル書18-19 ; ヤコブ4

エゼキエル書

第18章

18:1主の言葉がわたしに臨んだ、18:2「あなたがたがイスラエルの地について、このことわざを用い、『父たちが、酢いぶどうを食べたので子供たちの歯がうく』というのはどんなわけか。18:3主なる神は言われる、わたしは生きている、あなたがたは再びイスラエルでこのことわざを用いることはない。18:4見よ、すべての魂はわたしのものである。父の魂も子の魂もわたしのものである。罪を犯した魂は必ず死ぬ。
18:5人がもし正しくあって、公道と正義とを行い、18:6山の上で食事をせず、また目をあげてイスラエルの家の偶像を仰がず、隣り人の妻を犯さず、汚れの時にある女に近づかず、18:7だれをもしえたげず、質物を返し、決して奪わず、食物を飢えた者に与え、裸の者に衣服を着せ、18:8利息や高利をとって貸さず、手をひいて悪を行わず、人と人との間に真実のさばきを行い、18:9わたしの定めに歩み、わたしのおきてを忠実に守るならば、彼は正しい人である。彼は必ず生きることができると、主なる神は言われる。
18:10しかし彼が子を生み、その子が荒い者で、人の血を流し、これらの義務の一つをも行わず、18:11かえって山の上で食事をし、隣り人の妻を犯し、18:12乏しい者や貧しい者をしえたげ、物を奪い、質物を返さず、目をあげて偶像を仰ぎ、憎むべき事をおこない、18:13利息や高利をとって貸すならば、その子は生きるであろうか。彼は生きることはできない。彼はこれらの憎むべき事をしたので、必ず死に、その血は彼自身に帰する。
18:14しかし彼が子を生み、その子が父の行ったすべての罪を見て、恐れ、そのようなことを行わず、18:15山の上で食事せず、目をあげてイスラエルの家の偶像を仰がず、隣り人の妻を犯さず、18:16だれをもしえたげず、質物をひき留めず、物を奪わず、かえって自分の食物を飢えた者に与え、裸の者に衣服を着せ、18:17その手をひいて悪を行わず、利息や高利をとらず、わたしのおきてを行い、わたしの定めに歩むならば、彼はその父の悪のために死なず、必ず生きる。18:18しかしその父は人をかすめ、その兄弟の物を奪い、その民の中で良くない事を行ったゆえ、見よ、彼はその悪のために死ぬ。
18:19しかしあなたがたは、『なぜ、子は父の悪を負わないのか』と言う。子は公道と正義とを行い、わたしのすべての定めを守っておこなったので、必ず生きるのである。18:20罪を犯す魂は死ぬ。子は父の悪を負わない。父は子の悪を負わない。義人の義はその人に帰し、悪人の悪はその人に帰する。
18:21しかし、悪人がもしその行ったもろもろの罪を離れ、わたしのすべての定めを守り、公道と正義とを行うならば、彼は必ず生きる。死ぬことはない。18:22その犯したもろもろのとがは、彼に対して覚えられない。彼はそのなした正しい事のために生きる。18:23主なる神は言われる、わたしは悪人の死を好むであろうか。むしろ彼がそのおこないを離れて生きることを好んでいるではないか。18:24しかし義人がもしその義を離れて悪を行い、悪人のなすもろもろの憎むべき事を行うならば、生きるであろうか。彼が行ったもろもろの正しい事は覚えられない。彼はその犯したとがと、その犯した罪とのために死ぬ。
18:25しかしあなたがたは、『主のおこないは正しくない』と言う。イスラエルの家よ、聞け。わたしのおこないは正しくないのか。正しくないのは、あなたがたのおこないではないか。18:26義人がその義を離れて悪を行い、そのために死ぬならば、彼は自分の行った悪のために死ぬのである。18:27しかし悪人がその行った悪を離れて、公道と正義とを行うならば、彼は自分の命を救うことができる。18:28彼は省みて、その犯したすべてのとがを離れたのだから必ず生きる。死ぬことはない。18:29しかしイスラエルの家は『主のおこないは正しくない』と言う。イスラエルの家よ、わたしのおこないは、はたして正しくないのか。正しくないのは、あなたがたのおこないではないか。
18:30それゆえ、イスラエルの家よ、わたしはあなたがたを、おのおのそのおこないに従ってさばくと、主なる神は言われる。悔い改めて、あなたがたのすべてのとがを離れよ。さもないと悪はあなたがたを滅ぼす。18:31あなたがたがわたしに対しておこなったすべてのとがを捨て去り、新しい心と、新しい霊とを得よ。イスラエルの家よ、あなたがたはどうして死んでよかろうか。18:32わたしは何人との死をも喜ばないのであると、主なる神は言われる。それゆえ、あなたがたは翻って生きよ」。

第19章

19:1あなたはイスラエルの君たちのために悲しみの歌をのべて19:2言え、
あなたの母はししのうちにあって、
どんな雌じしであったろう。
彼女は若いししのうちに伏して子じしを養った。
19:3彼女は子じしの一つを育てたが、
それは若いししとなって、
獲物をとることを学び、人を食べた。
19:4国々の人は彼に対して叫び声をあげ、
落し穴でこれを捕え、
かぎでこれをエジプトの地に引いて行った。
19:5雌じしは自分の思いが破れ、
その望みを失ったのを見たので、
ほかの子じしをとって、これを若い子じしとした。
19:6彼はししのうちに行き来し、若いししとなって、
獲物をとることを学び、人を食べた。
19:7彼はその要害を荒し、その町々を滅ぼした。
そのほえる声によって、
その地とその中に満ちるものとは皆恐れた。
19:8そこで国々の人は彼に対して四方にわなを設け、
彼に網を打ちかけ、落し穴で彼を捕えた。
19:9彼らはかぎをもって、これをかごに入れ、
これをバビロンの王のもとに連れて行き、
これをおりの中に入れて、
再びその声をイスラエルの山々に
聞えさせないようにした。
19:10あなたの母は水のほとりに移し植えられた
ぶどう畑のぶどうの木のようで、
水が多いために実りがよく、枝がはびこった。
19:11その強い幹は君たる者のつえとなった。
それは茂みの中に高くそびえ、
多くの枝をつけて高く見えた。
19:12しかしこのぶどうの木は憤りによって抜かれ、
地に投げうたれ、東風がそれを枯らし、
その実はもぎ取られ、その強い幹は枯れて、
火に焼き滅ぼされた。
19:13今これは荒野に、
かわいた、水のない地に移し植えられ、
19:14火がその幹から出て、その枝と実とを滅ぼしたので、
強い幹で、君たる者のつえと
なるべきものはそこにない。
これが悲しみの言葉、また悲しみの歌となった。


ヤコブ

第4章

4:1あなたがたの中の戦いや争いは、いったい、どこから起るのか。それはほかではない。あなたがたの肢体の中で相戦う欲情からではないか。4:2あなたがたは、むさぼるが得られない。そこで人殺しをする。熱望するが手に入れることができない。そこで争い戦う。あなたがたは、求めないから得られないのだ。4:3求めても与えられないのは、快楽のために使おうとして、悪い求め方をするからだ。4:4不貞のやからよ。世を友とするのは、神への敵対であることを、知らないか。おおよそ世の友となろうと思う者は、自らを神の敵とするのである。4:5それとも、「神は、わたしたちの内に住まわせた霊を、ねたむほどに愛しておられる」と聖書に書いてあるのは、むなしい言葉だと思うのか。4:6しかし神は、いや増しに恵みを賜う。であるから、「神は高ぶる者をしりぞけ、へりくだる者に恵みを賜う」とある。4:7そういうわけだから、神に従いなさい。そして、悪魔に立ちむかいなさい。そうすれば、彼はあなたがたから逃げ去るであろう。4:8神に近づきなさい。そうすれば、神はあなたがたに近づいて下さるであろう。罪人どもよ、手をきよめよ。二心の者どもよ、心を清くせよ。4:9苦しめ、悲しめ、泣け。あなたがたの笑いを悲しみに、喜びを憂いに変えよ。4:10主のみまえにへりくだれ。そうすれば、主は、あなたがたを高くして下さるであろう。
4:11兄弟たちよ。互に悪口を言い合ってはならない。兄弟の悪口を言ったり、自分の兄弟をさばいたりする者は、律法をそしり、律法をさばくやからである。もしあなたが律法をさばくなら、律法の実行者ではなくて、その審判者なのである。4:12しかし、立法者であり審判者であるかたは、ただひとりであって、救うことも滅ぼすこともできるのである。しかるに、隣り人をさばくあなたは、いったい、何者であるか。
4:13よく聞きなさい。「きょうか、あす、これこれの町へ行き、そこに一か年滞在し、商売をして一もうけしよう」と言う者たちよ。4:14あなたがたは、あすのこともわからぬ身なのだ。あなたがたのいのちは、どんなものであるか。あなたがたは、しばしの間あらわれて、たちまち消え行く霧にすぎない。4:15むしろ、あなたがたは「主のみこころであれば、わたしは生きながらえもし、あの事この事もしよう」と言うべきである。4:16ところが、あなたがたは誇り高ぶっている。このような高慢は、すべて悪である。4:17人が、なすべき善を知りながら行わなければ、それは彼にとって罪である。


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